大分・熊本チャリティー撮影のこと。
先日、熊本から戻ってきました。
いろいろと感じることがあり、この数日少し放心状態が続いています。
今日は少し長いブログになりそうです。
熊本地震が起きてからもうすぐ5ヶ月が経とうとしています。
「大分・熊本花嫁支援」
伊勢にあるプロデュース会社Wedesignの東山さんの一言からこのプロジェクトは始まりました。
震災が起こったからといって自粛せず、前を向いて最高のウェディングを。
辛い思い出になるより「この震災を乗り越えて結婚式をしたい!」とポジティブな花嫁様を圧倒的に応援します。
最初は、ドレスやアクセサリーなどがなくなってしまった方への物質的な支援でしたが、それだけでは足りないと結婚式ができなくなってしまったり、家族の写真がなくなってしまったりという方へ向けて、現地でのチャリティー撮影へと発展していきました。
震災が起こってからすぐの自粛ムードがあったあの時期の投稿は、こんな支援の仕方があったのかと私にもなにかできることがあるのかもしれないとハッとさせられました。
そこから集まった支援メンバー6名。
それぞれのやり方で声をあげてみると、結婚式に携わる仕事をしている仲間からの応援の声や支援の輪が広がっていきました。
今回の支援には、本当にたくさんの方の協力がありました。
私は、現地に行かせていただいたひとりとして、現地の方に教えて頂いたこと、感じたことをキチンと伝えたい。
協力してくれた皆様へ感謝の気持ちを込めて話したい。
今、そう思ってブログを書いています。
いつか来るであろう東南海地震。
なにかひとつでも心に残る言葉があったら、とっさに出る行動が違ってくると思うから。
現地に行くまでは、チャリティーのことや募金のことを自分から話したりすることには、正直少しためらいもありました。
熊本の方が言っていた言葉があります。
「当事者は何回も助けを求めるような発信はしにくい。」
熊本地震は、東北と違い死者の数も少なく、報道も落ち着いてきていることもあり、
もうある程度復興しているのではないかという印象ですが、まだまだ仮設にも入居できず体育館で寝泊まりされている方もいるそうです。
でもやはり自分達から支援が必要とは言いにくいというのです。
だから、県外から支援をしにきてくれる方がいるのが嬉しいと。
今の現状をしっかり捉え、見た光景や感じたことを、私たちがありのまま伝えることがさらなる支援につながっていく。
そう信じています。
そして、益城の街で写真を撮ること、話を聞くことは辛い気持ちにさせてしまうのではと思う気持ちもあったけれど、私たちが話をした現地の方はそんなことを思ってはいませんでした。
「よく見てきてください。そして、私たちの体験を教訓にして、東南海地震に備えることができるように地元の人に伝えてください」
そう言って、お話してくれる方がほとんどだったのです。
現地の方にお話をお伺いし、みんなに伝えたいなと思ったことをまとめてみます。
①水の用意
防災グッズに必ず入れてください。
水は地震が起こり、しばらくしたら止まってしまったそうです。
水が止まったときに備え、湯船に水を張っておくことも重要だそうです。
私は、夜、湯船の水は抜かないことに決めました。
②ガソリン
車中泊になった方も多かったから、ガソリンが半分切ると不安という声が
たくさんありました。
動物を飼っていると避難所で生活することも難しいという声も。
いつもギリギリまでガソリンを入れずに走ってしまうのですが、少し見直そうと
思います。
③お子様のいるご家庭
お子様用品は支援物資として 届きにくく大変だったそうです。
水もないのでミルクもつくれず、近所の方に助けてもらったと。
乳児のお子様のいるご家庭は必死で、お子様のことを守りぬいたのだと思います。
お子様のいるご家庭は、防災グッズの中身も変わってくるのではないでしょうか。
④SNS
電話はしばらくは繋がっていて、他の地域にいる友人からの連絡で
やっと熊本で地震が起こったことを知ったそうです。
最初はなにが起こっているのかわからず、とても怖かったと。
電話はしばらくしたら繋がらなくなってしまったが、LINEだけは使うことが
できたそうです。
⑤大切な人を見つける
地震が起きたとき、大切な人と一緒にいることができるのかわかりません。
大切な人を見つけ出すために、写真を持っていると避難所でも聞いてまわることが
できるかも。
⑥自分自身を守るために
熊本では、カメラマンの山中さんのお知り合いで実際に被災をされた友人宅に
泊まらせていただき、いろいろな話を聞くことができました。
そして、なにかの下敷きになったり、ひとりでどこかに閉じ込められて
しまった時にと携帯用の小さな笛を頂きました。
今回の教訓を生かし、東南海地震に備え、皆の意識をあげること。
その友人は出会って地震のことを伝えることがあったら、一緒に笛を渡そうと思って
いたのだと思います。
すぐに携帯に付けたかったけど、今の携帯付けられない。。。
⑦家の外に出るか中に残るか
熊本の場合は1度目の地震があり、その後本震が起こったのですが、
当初、1度目の地震が本震だと言われていたので、揺れが落ち着いたときに家に帰る
方がたくさんいて被害に遭われた方も多くいるそうです。
熊本は台風の備えとして、瓦が重く作られており、余計に倒壊する家屋が多かった
とも。
比較的、古い家屋に住んでいる方は、用心した方がいいのだと思います。
地震は一度で終わりではない。
⑧逃げ道を確保する
地震が起こった際、外にでようとしたら扉がゆがんでしまい、ドアが
開かなかった。 そんな言葉を聞きました。
これは、マンションの鉄の扉。
何回か体当たりをし、なんとか外にでられたそうです。
車でも家の中でもまずは逃げ道を確保する。
とっさに行動できるかわかりませんが、頭の片隅に少しでも言葉が残れば行動が
変わるのではないかと思います。
はじめは震災で結婚式ができなくなってしまったけれど、前向きに幸せになりたいと願うカップル様の力になりたいと始まった活動でしたが、振り返ってみれば力をいただいたのは私たちでした。
印象的だったのは、地震が起こって辛いことや怖かったこともいっぱいだけど
昨日まで全く知らない近所の方々と助け合い、人の優しさをいっぱい感じることが
できたり、自分にとって大切なものはなにかを実感できたという方がとても多かった
こと。
同じマンションの方全員で、今自分が持っている食料を全て出し合い、均等に分けたり
ひとりでは不安だからと数日一緒に過ごしたり。
でも、これは自分の身を守ることができた方の言葉。
まずは、自分の身を守らなければ、大切な人を守ることもできない。
そのためになにを備えるのか。
ひとりひとり考え、身近な人に共有していくことが大切なのだと思います。
ここからは、支援をさせていただいた花嫁様のお写真。
大切な人と今一緒に居られる喜びと一緒に震災を乗り越えてきた絆を感じるふたりの
表情は、心からの笑顔に溢れていました。
水前寺江津湖公園の管理棟を特別に貸していただき、ヘアメイクをさせていただける場所まで作ってくださいました。
ありがとうございました。
最後にこの活動に賛同し、ドレス・スーツ・アクセサリーなどを無償でご提供いただいたパートナー様や先輩花嫁様。
活動をしり、声をかけてくれたり募金に協力してくれたブライダル仲間たちや友人たち。
一緒に支援のためのチャリティー撮影会を企画してくれた岐阜と多治見のブライダル仲間たち。
熊本で私たち6人を泊めてくれたさきちゃん。
地震のことを思い出し鳥肌を立たせながらもお話してくれた産直市場の方。
そして、今回、出会ったカップル様やご家族の皆様。
本当に本当にありがとうございました。
まずは身近にいる大切な人に伝えていきたいなと思っています。
話を聞いてみたいなと思ってくれる方がいたら、気軽に声かけてください。
話にいきます◎
そして、今後の活動をどうしていくのか。
ご意見などもいただきたいと思っています。
それにしても。。。
晴れてよかったーー!
笑顔がみれてよかったーー!
kikue kataoka